IMFは4月の世界経済見通しで、2026年の世界成長率が2%を下回る可能性を指摘した。この水準は1980年以降4回しか記録されていない景気後退に近い領域である。中東情勢の長期化が中心的なリスクとして挙げられた。
タイ経済への影響も深刻な見通しが示されている。IMFはタイの2026年GDP成長率を1.6%と予測しており、2024年の2.5%、2025年の2.1%から減速が続く形である。輸出需要の減退と観光客の回復の遅れが足を引っ張っている。
S&Pグローバルはタイが「景気後退に対して脆弱」であると警告した。タイ企業の5%が2026〜27年にキャッシュフローがマイナスに転じる可能性があり、ストレスシナリオでは8%に拡大する。大企業の債務残高は6兆バーツ(銀行融資全体の17%)に達しており、経営悪化が金融セクターに波及するリスクがある。
銀行の健全性にも黄信号が灯っている。不良債権比率は現在平均3%だが、S&Pのストレスシナリオでは10%まで急上昇する可能性がある。自己資本比率は最大300ベーシスポイント低下し、格付けのない中小銀行では400ベーシスポイントを超える毀損もあり得るとした。
原油価格は2026年に平均110ドル、2027年には125ドルに達する可能性がIMFから示されており、ディーゼル補助金を段階的に削減しているタイにとっては追加的な重荷になる。第1四半期の輸出は前年同期比9.9%増と好調だったが、後半は世界的な需要減退で逆風が強まる見込みである。


