バンコクのフアイクワン地区にある有名デパートのトイレで4月12日深夜0時50分頃、宝石職人の男性がカバンを盗まれる窃盗事件が発生した。フアイクワン警察署のプラソップチョーク・イームピニット署長らが現場に急行し、短時間で容疑者を逮捕した。
カバンの中には宝石加工に使う工具や貴金属が入っており、現金52万6,000バーツ(約240万円)が被害に含まれていた。男性がトイレの個室で用を足している最中、隣の空間に置いていたカバンが持ち去られていた。個室から出た後にカバンがなくなっていることに気づき、すぐにデパートの警備員に通報した。
防犯カメラの映像解析が功を奏し、ほぼ即日で容疑者の特定に至った。逮捕されたのはサハチャート容疑者(28歳、チャイヤプーム県出身)で、トイレの個室が使用中であることを確認してから素早くカバンを持ち去るという計画的な手口だった。
被害者は宝石職人という職業柄、業務用の工具や貴金属を常に携行していた。デパートに立ち寄った際にトイレに荷物を持ち込んでいたところを狙われた形だ。52万バーツという現金額は、仕事上の取引で持ち歩いていた可能性がある。
バンコクのショッピングモールやデパートでは、繁華街という特性から置き引きや財布のスリが発生しやすい環境がある。特にトイレは死角になりやすく、個室の隣に置いた荷物を「手付き」で盗む手口は各地のデパートでも報告されている。高額の現金や貴金属を持ち歩く場合は、個室に入る際にも荷物を手元に確保する習慣が重要だ。金属製のカラビナで荷物をフックに引っかけるといった対策が有効とされている。
タイでは窃盗事件の検挙率は高くなく、多くが泣き寝入りに終わる。今回は防犯カメラの映像と警察の迅速な対応によって解決に至ったが、被害者にとっては職業道具と生活費が同時に失われる深刻な打撃だったといえる。