マッサージ後の麻痺が中国で報告されていたが、タイでも同様のリスクがある。中国・江蘇省在住の33歳男性が旧正月期間中に強い圧力でのマッサージと自己マッサージを組み合わせた後、空港で突然倒れて片麻痺を発症した。検査で「椎骨動脈解離」と診断された。これはマッサージで首の血管壁が損傷し、そこから血栓が脳に詰まって脳梗塞を起こした状態だ。
この事例を受け、中医師の欧陽剛医師(江蘇省)は「多くの人が『痛いほど効くマッサージが最高』と誤解しているが、首に強い力をかけることは非常に危険だ」と警告する。医師が挙げる3箇所の危険部位は頸部の前面・側面(首の動脈と脊髄が通る)、腰椎の後正中部分、椎間板部分だ。これらに強い圧力をかけると椎骨動脈解離・腰椎損傷・椎間板損傷のリスクがある。
タイはマッサージ大国で、国内では正規のタイ古式マッサージ師から非公認の路上マッサージまで幅広い施術者が存在する。タイ保健省認可のタイ古式マッサージは首に直接強い圧力をかける技法を含まないが、観光地の非公認マッサージ店では不適切な施術を行うケースもある。
タイ保健省は正規認定マッサージ師の証明書(タイ式伝統医学局発行)を持つ施術者を利用するよう推奨している。タイ式マッサージの資格取得には最低150時間の認定講習が必要で、急所への適切な扱いも指導内容に含まれる。バンコク・チェンマイ・プーケットには認定施術者を抱える高品質なマッサージ店も多い。
首に違和感・強い痛みがある場合は深圧マッサージを受けるべきではなく、事前に医師への相談が必要だ。タイ旅行中にマッサージを体験する際は、施術者の資格確認と施術内容の事前確認が安全のために重要だ。