アユタヤ県のワット・マハータート寺院裏で、100年以上前に造られた砂岩製の仏像の首が切り落とされているのが見つかった。切断された頭部はナレースワン通り沿いの木の下に放置されていた。
チャッチャワルさん(59)が友人からの連絡で現場に駆けつけ、頭部を地元の仏堂に安置した後に通報した。仏像には新しい切断痕がはっきりと残っていた。
当局は「犯人が仏像の頭部を盗もうとしたが、聖なる場所の超自然的な力を恐れて持ち去れずに捨てた」と推測している。仏像の首を盗むと祟りがあるという信仰はタイで根強く、住民も「やはり罰が当たるのだろう」と不安を口にした。
芸術局の職員が初期調査を開始し、仏像の正確な出自の特定と容疑者の追跡を進めている。アユタヤは1767年のビルマ侵攻で多くの仏像が首を切られた歴史を持つ世界遺産の街であり、今回の事件は住民の歴史的感情にも触れるものとなった。
仏像の頭部は東南アジアの闇市場で高額取引される骨董品であり、タイでは寺院からの窃盗が後を絶たない。しかし「祟りを恐れて放棄する」という結末は、信仰が犯罪の抑止力になるというタイならではの一面を示している。
