バンコク都のオンヌットごみ処理センターに建設された廃棄物焼却発電施設が、送電網への初の系統連系(ファースト・シンクロナイゼーション)に成功した。焼却炉で一般廃棄物を燃やして得た電力を商用電力系統に送り込む試験運転が完了し、施設の本格稼働への重要な節目を迎えた。
オンヌット廃棄物発電施設はバンコク都が長年抱えてきたごみ処理能力の不足を解消し、廃棄物を単に埋め立てるのではなくエネルギーとして回収することを目的としたプロジェクトだ。バンコクでは1日あたり数千トンの一般廃棄物が排出されており、従来の埋め立て処分場の容量は限界に近づいている。廃棄物からの発電(Waste to Energy: WtE)は廃棄物問題とエネルギー供給問題を同時に解決できる手法として注目されてきた。
系統連系とは、発電した電力を一般の家庭や企業に届ける電力網(系統)に接続することだ。試験的な発電には成功しても、系統連系がうまくいかなければ電力は使えない。今回の「ファースト・シンクロナイゼーション」の成功は、施設が電力系統の要件を満たして安定的に稼働できることを意味しており、本格的な商業運転に向けた最後の技術的な関門を突破したことになる。
バンコク都は廃棄物発電施設の建設を各区に拡大する計画を持っており、今後ノンジョーク地区など複数の候補地での施設建設が予定されている。ごみを燃料として電力を生み出す仕組みが軌道に乗れば、ごみ処理コストの削減と電力の安定供給の両立が期待できる。
燃料危機が深刻化する中、自国内の廃棄物を使って電力を生み出す取り組みは、エネルギー自給率向上という観点でも意義が大きい。一般廃棄物の焼却によるCO2排出という環境負荷の側面もあるが、埋め立てによるメタンガス発生との比較や、化石燃料発電の代替という点から総合的に評価する必要がある。