タイのオンブズマン(ผู้ตรวจการแผ่นดิน)が政府の施政方針を注視する姿勢を鮮明にしている。政策が国民生活に悪影響を及ぼす場合には速やかに調査に乗り出す構えである。
焦点の一つがノミニー(名義貸し)規制の強化である。オンブズマンはスパジー副首相との協議を予定しており、外国資本がタイ人名義を利用してココナッツ集荷場(ล้ง)を支配している実態への法的対応を求める方針だ。現行法ではノミニー行為の摘発が困難なため、法改正による抜本的な対策が必要と判断した。
同時に、偽ココナッツウォーターの横行も深刻な課題として浮上している。香料と水を混合しただけの製品が市場に出回り、消費者の健康と正規業者の経営を脅かしている状況だ。オンブズマンは関係当局に対し、製造・流通ネットワークの摘発を加速するよう指示した。
これらの問題は首相が表明したノミニー企業への取り締まり強化とも連動しており、政府とオンブズマンが足並みを揃える形となっている。ノミニーによる産業支配と食品偽装という二つの問題を同時に解決できるかが、今後の焦点となる。
タイのココナッツ産業は世界有数の規模を誇るが、外国資本の参入拡大と品質偽装の蔓延により、生産者と消費者の双方が不利益を被る構造が固定化しつつある。法整備と取り締まりの両輪がどこまで機能するか、注目が集まっている。
