タイ深南部ナラティワート県ジャネー郡で4月1日に発生した副郡長銃撃事件について、国内治安維持部隊(ISOC)第4管区前線司令部が10日、銃弾の鑑識結果を公表した。押収された薬莢の分析から、犯行には少なくとも4種類の火器が使用され、発射された弾丸は計94発に上ることが判明した。
最も多く使用されたのはAK-47(口径7.62ミリ)で、49発が発射されていた。鑑識の結果、この銃は過去に4件の治安関連事件で使用された記録があることが確認された。残る3種の火器についても、それぞれ過去の事件との関連が認められている。
注目すべきは、4丁すべてが2009年から現在に至るまでの治安事件で繰り返し使用されてきた点である。関連が確認された事件は合計19件に達し、深南部で活動する武装勢力が同じ火器を長期間にわたって使い回している実態が浮き彫りとなった。
ISOC第4管区のエーカワリット・チョープチューポン副報道官は、鑑識データをもとに犯行グループの特定と過去の未解決事件との照合を進めていると述べた。武器の流通経路の解明が、一連の事件の全容解明につながると期待されている。
タイ深南部ではパッターニー、ヤラー、ナラティワートの3県を中心に、分離独立を掲げる武装勢力による襲撃が断続的に続いている。今回の鑑識結果は、武器が組織的に管理・流通している構造を裏付けるものであり、治安当局にとって捜査の重要な手がかりとなりそうである。