ソンクラン連休前日の4月10日、ブリーラム市の市営質屋(สถานธนานุบาลเทศบาลนครบุรีรัมย์)に金のアクセサリーや金地金を手にした市民が朝から列をなした。目的はただ一つ、帰省の燃料代を工面することだった。
金1バーツあたり5万6,000バーツで受け付け
ピヤポーン副所長によると、連休前の最終営業日とあって客足が途切れず、持ち込まれる品物の9割以上が金の装飾品だった。質入れの受入額は金1バーツ(15.16グラム)あたり5万6,000バーツ。金価格の高騰が皮肉にも「帰省資金の原資」として機能している。
質屋側は1億バーツ超の準備金を用意して需要に備えた。客の多くは帰省の燃料代のほか、連休中の家族への仕送りや生活費にも充てるという。質入れ額の増額を申し出る既存客も相次いだ。
金価格高騰の背景
2026年の金価格は中東紛争の激化と安全資産への逃避需要から高止まりしており、金1バーツ(装飾品)の買取価格は7万バーツ超に達していた。通常の質入れ評価額は市場価格の7〜8割程度が目安のため、5万6,000バーツという水準はこの相場に即したものだ。
タイでは農村部を中心に「金を買って資産を守り、緊急時には換金する」という資産管理が根付いている。今回の事例はその慣習が燃料危機という急場に機能した形だ。
ソンクランの帰省コストが急増
2026年ソンクランはガソリン価格が約41バーツ/L、ディーゼルが39バーツ/L前後だった。バンコクから地方(片道300〜500km)を往復すれば、車種と距離によっては燃料代だけで2,000〜3,000バーツを超える計算だ。金を質入れしてでも帰省する人がいる一方、帰省を断念して親への送金だけにする人も増えていた。