タイの野良犬・野良猫33匹を自宅で養っていたスコータイ県の夫婦の家屋が老朽化で倒壊寸前となり、スコータイ県知事が現地視察して修繕を指示した。2026年4月9日の出来事で、長年にわたる2人の善意と行政の対応が話題を集めた。
33匹を養う夫婦
スコータイ市ヤンサイ地区に暮らすこの夫婦は、捨てられた野良犬・野良猫を長年にわたって引き取り、18頭の犬と15匹の猫を自宅で育ててきた。2人には経済的な余裕はなく、毎日の飼育費用を自分たちの生活費を削って賄っていた。
住んでいる家は老朽化が進んでおり、柱が傾いて今にも崩れそうな状態になっていた。夫婦が一番心配していたのは「自分たちがどうなるか」よりも「犬猫たちはどうなるのか」だった。
県知事が現地に
この状況がオンラインで拡散し、スコータイ県知事のノプリット・シリコサル氏が翌9日に現地を訪問した。知事はメマン市長や県人事局・畜産局の関係者らを連れて夫婦の家を訪れ、まず食料・犬猫用フードを届けた。
そのうえで家屋の修繕を指示し、まだ去勢手術を受けていない動物を全て無料で手術するよう畜産局に指示した。ケガや病気の個体については診察・治療も無料で行われる見通しだ。
タイの野良犬問題と社会の反応
タイでは野良犬が街の至るところにおり、国全体で数百万頭が存在するとされる。「犬を捨てない、殺さない、養う」という価値観がSNS世代の間で広まっており、今回の夫婦のような動物愛護活動家への共感が強い。
知事が素早く動いた背景には、SNSでの反響の大きさと「行政が見捨てない」という姿勢を示す政治的意図もある。