タイ警察の経済犯罪抑止局(ปอศ.)が3つの関係機関と合同で、違法電子たばこに麻酔薬エトミデートを混入した通称「ゾンビポット」の密売ネットワークを壊滅させた。「Anti Zombies(アンチゾンビーズ)作戦」と名付けられた今回の捜査で、容疑者7人の身柄を確保している。
捜査の結果、押収されたエトミデートは28キログラムに上り、末端価格は2千万バーツ(約8千万円)相当と見積もられている。エトミデートは本来、医療現場で短時間の全身麻酔に使用される薬剤だが、電子たばこのリキッドに混ぜて吸引すると強い陶酔感をもたらし、使用者が意識を失って倒れ込む姿から「ゾンビたばこ」の異名がついた。
捜査当局によると、原料はインドから密輸されていたとされ、国際的な供給ルートの存在が改めて浮き彫りとなった。タイ国内ではソンクラーン(水かけ祭り)の時期に若者の薬物使用が増加する傾向があり、警察は祝祭シーズンを前に取り締まりを強化している。
電子たばこはタイでは販売・所持ともに違法であるが、若年層を中心に闇市場での流通が止まらない。とりわけエトミデート入りの製品は依存性が高く、過量摂取による呼吸停止のリスクも指摘されている。先日もソンクラーン遊び資金欲しさにケタミン200キログラムを運搬した若者が逮捕されるなど、祝祭期の薬物犯罪が相次いでいる。
タイ警察幹部は記者会見で、今回の摘発は氷山の一角に過ぎないとの認識を示し、今後も国際的な密輸ルートの解明と末端の売人への取り締まりを同時に進める方針を強調した。
