ナコンラチャシマ県(通称コラート)で、生の豚肉を食べた住民が豚連鎖球菌症(Streptococcus suis)を発症し死亡した。同県での死者はこれで14人目となり、タイ国内で最も多くの犠牲者を出している地域となった。
亡くなったのはナコンラチャシマ市内ミッタパープ11地区の住民で、生豚肉の摂取後に感染が確認された。豚連鎖球菌症はタイ語で「カイフーダップ(耳が聞こえなくなる熱病)」と呼ばれ、重症化すると敗血症や髄膜炎を引き起こし、聴力を永久に失うこともある。致死率も高く、地方部では依然として深刻な公衆衛生上の脅威である。
ナコンラチャシマ県保健局のウィチャーン医師は、ソンクラーン連休を前に「豚肉は必ず火を通して食べてほしい」と改めて呼びかけた。タイ東北部ではラープやソムムーなど生の豚肉や豚の血を使った郷土料理が根強い人気を持つが、こうした食文化が感染リスクを高めている。
同医師が示した予防策は3点ある。第一に、豚の生肉・血液・内臓を加熱不十分な状態で食べないこと。第二に、生肉を切るまな板や包丁と野菜用の調理器具を明確に分けること。第三に、豚肉を扱った後は手指を石けんで十分に洗浄することである。
ソンクラーン期間中は帰省先で親族と食事を共にする機会が増え、宴席で生肉料理が振る舞われることも多い。在タイ日本人にとってもソンクラーン旅客370万人見込み、主要4空港で無料駐車場を開放の時期と重なるだけに、屋台やローカル食堂での食事には十分な注意が必要である。豚肉料理を注文する際は「スック・ディー(よく火を通して)」と一言添えることが、命を守る簡単な習慣になる。