タイ中央銀行(BOT)が2026年4月末から5月にかけて、銀行が徴収する手数料17項目の見直しを行い、5月中旬に新基準を公示する計画を発表した。個人・中小企業向けの手数料が下がる可能性があり、国民の金融コスト負担軽減が期待されている。
見直しの概要
BOTのセタプット・スティワイロー総裁が明らかにした。対象となる17項目には、振込手数料、ATM手数料、ローン繰上返済手数料、口座維持管理料などが含まれる見通しだ。
同総裁は「銀行の手数料体系が消費者にとって過度な負担になっていないか、継続的に審査する責任がある」と述べ、見直しが競争促進と消費者保護の両方を目的としていることを強調した。
タイの銀行手数料問題
タイでは大手商業銀行5〜6行が市場を寡占している。競争が限られているため、手数料の上昇が比較的容易に認められてきた歴史がある。特に少額の振込(1,000バーツ以下)でも数十バーツの手数料がかかることが「高すぎる」と指摘されてきた。
スマートフォン決済(プロンプトペイ)の普及で振込コストは下がってきたが、旧来の銀行インフラを使った取引では依然として高い手数料が残っている。
中小企業への影響
手数料の見直しが実現すれば、タイ国内の約300万社以上の中小企業(SME)にとって恩恵が大きい。燃料高騰・物価上昇で苦しむ中小事業者が、金融コストの面でも一息つける可能性がある。
タイの金融包摂率は近年向上しているが、農村部の一部には正式な銀行口座を持たない層も残っており、手数料の引き下げは利用促進にもつながる。