タイ中央銀行(BOT)のセータプット総裁は、銀行が利用者から徴収する手数料の構造を抜本的に見直す方針を明らかにした。対象となるのは17項目に及び、5月中旬にパブリックヒアリング(意見公募)の結果を踏まえた新基準を正式に公示する予定である。
今回の見直しは、利用者が負担する各種手数料の透明性と公正性を高めることが狙いである。従来の手数料体系は銀行ごとにばらつきがあり、利用者にとって比較が困難な状態が続いていた。中銀はこの問題を是正し、統一的な基準を設けることで消費者保護を強化する考えである。
対象となる17項目の具体的な内訳は今後のヒアリングを通じて詳細が公表される見通しだが、口座維持手数料や振込手数料、ATM利用料など日常的な金融サービスに関わる項目が含まれるとみられる。セータプット総裁は、銀行側にもコスト構造の開示を求め、手数料の根拠を明確にさせる意向を示した。
タイでは近年、モバイルバンキングの普及に伴い一部の手数料が廃止された一方、新たなサービスに対する課金が増加している。タイ中銀が銀行に債務者救済を命令、利息のみ返済や減額を認めるなど、中銀は金融機関に対して利用者寄りの姿勢を強めている。
新基準の施行時期は公示後に調整されるが、年内の適用を目指すとされる。在タイ日本人にとっても銀行取引コストに直結する改革であり、今後の詳細発表が注目される。