タイ中央銀行(BOT)のウィタイ総裁は4月9日、銀行手数料15〜17項目について公聴手続きを開始すると発表した。30日間の意見募集を経て基準を確定し、5月中旬に官報で公示する方針である。
今回の見直しで最も注目されるのが、残高2,000バーツ未満の口座に課される維持手数料の是正である。現在の徴収額は銀行によって20バーツから500バーツまで大きく開いており、BOTは最低水準の20バーツ付近に統一するよう求める考えだ。在タイ日本人の中にも複数行に口座を持ちながら残高が少ないケースは珍しくなく、知らぬ間に高額の維持手数料を差し引かれていた事例も報告されている。
バーツネット(大口資金決済システム)の振込手数料も見直し対象に含まれる。現行の1件250バーツから引き下げる方向で調整が進んでおり、企業間送金のコスト低減が期待される。
中小企業向け融資の分野では、新規与信枠の設定時に徴収されるフロントエンドフィーが融資額の3〜5%に達している実態が問題視されている。資金調達コストの高さが中小企業の成長を阻んでいるとの指摘はかねてからあり、BOTは適正水準への引き下げを促す構えである。
タイ中銀が銀行手数料17項目を見直し、5月中旬に新基準を公示でも報じたとおり、今回の改革は手数料体系の透明化と消費者保護の強化を目的としている。エネルギー価格の高騰で家計が圧迫されるなか、銀行手数料の負担軽減は市民生活にとって朗報となりそうである。