タイ警察と関係機関が、カンボジアからミャンマーへ希少な野生動物を密輸していた国際犯罪組織を摘発した。ケージに入れた生後約7カ月の黒ヒョウの子1頭を「黒猫」と偽って検問を通過しようとしていたもので、容疑者のミャンマー人2人がターク県メーソートで逮捕された。
4月9日、自然資源犯罪制圧警察局、野生動物犯罪情報センター、特別捜査局、国立公園・野生動物・植物保全局が合同で記者会見を開き、捜査の経緯を明らかにした。当局は以前から、カンボジアを起点としタイを経由してミャンマーへ希少動物を運ぶ密輸ルートの存在を把握し、内偵を進めていたという。
押収されたのはメスの黒ヒョウの子1頭のほか、ミャンマーナンバーの車両1台と輸送用の機材である。容疑者らはケージ内の黒ヒョウを「黒猫」と申告することで、検問での発覚を免れようとしていた。黒ヒョウは絶滅危惧種に指定されており、ワシントン条約で国際取引が厳しく規制されている。
密輸の最終目的地は、ミャンマーのシュエコッコーとされる。同地域はカジノや詐欺拠点が集中することで知られ、カンボジア国境でも同様の犯罪拠点が摘発されている。当局によれば、現地の賭博グループの間では希少な猛獣を飼うことが「権威や幸運を高める」と信じられており、高額で取引されているという。
今回の事件は、カンボジア・タイ・ミャンマーの3カ国にまたがる組織的な野生動物犯罪の一端を示すものである。当局は引き続き上流の仲介者や資金源の解明を進める方針で、国境を越えた捜査協力の強化が急務となっている。
