タイの金価格が4月8日、前日比1,250バーツの急騰を記録した。金装飾品(純度96.5%)の売出価格は1バーツ重量(約15.2グラム)あたり73,900バーツに達した。前日7日の終値72,650バーツから一夜にして跳ね上がった計算だ。
背景にあるのは国際市場での金価格急上昇だ。中東の地政学的緊張の再燃と、米国での景気減速懸念が「有事の金」への需要を高めた。ニューヨーク先物市場では1オンスあたりの金価格が大幅に上昇し、その動きがタイ市場に反映された。加えてバーツの対ドルでのわずかな下落も、ドル建て金価格をバーツ換算で押し上げる効果を持った。
タイの金相場は1週間の動きを見ると、4月初めの72,950バーツ(週末終値)から7日に一時450バーツ下落した後、8日に1,250バーツ急反発している。この乱高下は市場参加者が方向感を失っていることを示しており、「次の動きが上か下か分からない」という不安定な状況が続いていた。
タイの金融市場にとって、金価格の急上昇は複雑な意味を持つ。一方では「資産保全のために金を保有してきた人にとっては含み益の増加」という好ましい側面があるが、他方では「燃料や生活費高騰に続いて金価格まで上がり、装飾品の購入コストが増す」という側面もある。ソンクラーンや結婚シーズンには金製品の贈答が多く、価格上昇は家計の出費増に直結する。
タイの1バーツ重量(約15.2グラム)は日本の1トロイオンス(約31.1グラム)と異なる単位だが、タイ金市場では1バーツ単位で気軽に購入・売却できる文化が根付いており、個人投資家の参加が多い市場だ。73,900バーツという水準は過去最高値圏に近く、市場の関心は今後の動向に集まっていた。