タイ東北部ブリーラム県で4月6日午後、90歳の女性が自宅で亡くなった。この日の気温は44度に達していた。
亡くなったのはブンチュアイさん(90)。視覚障害があり、娘のチンチョークさんと暮らしていた。チンチョークさんは毎日、水分補給や入浴の介助をしていたが、この日は状況が違った。
ブンチュアイさんは娘に「今日はなんでこんなに暑いの。暑くて、もう耐えられない」と訴えた。そのまま横になり、しばらくして様子を見に行くと、すでに息を引き取っていた。午後3時半頃のことだった。
自宅はコンクリート造りの平屋。家にはエアコンがなく、扇風機だけで暑さをしのいでいた。経済的に余裕のない家庭で、冷房設備を導入する選択肢はなかった。
タイでは例年4月が最も暑い時期だが、2026年は異常な暑さが続いている。タイ政府は体感温度が60度に到達する恐れがあると公式に警告を出した。2025年には全国で21人が熱中症で死亡し、2024年には61人が犠牲になっている。
特に高齢者や基礎疾患のある人にとって、エアコンのない環境は命に関わる。日本の猛暑日の基準は35度だが、タイの地方では40度超えが珍しくなく、44度ともなれば屋内でも危険な水準である。在タイの日本人も、高齢の家族や使用人の住環境に注意が必要な季節に入った。

