ソンクラー県サダオ郡で、マレーシア人が経営する物流会社の敷地内からディーゼル約10万リットルが発見され、当局が捜査に乗り出した。タイ・マレーシア国境の要衝で大量の燃料が備蓄されていた事実は、燃料密輸ネットワークの広がりを示している。
事件はSNS上の告発がきっかけで発覚した。地元住民がタイとマレーシア間でトレーラーを運行する物流業者が燃料を大量に備蓄していると通報し、当局が調査に入った。敷地内からは約10万リットルのディーゼルが見つかった。
サダオ郡はタイ南部とマレーシアを結ぶ主要な国境貿易拠点である。マレーシアのディーゼル価格はタイよりも高く(1リットルあたり約6リンギット≒約50バーツ)、タイから安価なディーゼルを密輸してマレーシア側で転売する動機が存在する。逆にマレーシアの補助金付きガソリンをタイに持ち込むケースも報告されており、国境地帯は燃料の不正流通の温床となっている。
タイ政府は燃料危機への対応を強化しており、DSIがスラタニー県で石油備蓄施設を摘発し、5,700万リットルの燃料消失が発覚するなど、陸海の両面で不正の実態が明らかになりつつある。今回のソンクラーの事案は、国境貿易に紛れた密輸ルートの存在を裏付けるものである。
海軍はタンカー20件の不審航行を確認し、TikTok動画が海上での燃料移送を暴露するなど、国民の目が燃料不正に向けられている。ディーゼル価格が47バーツを超え国民が苦しむなか、国境の倉庫に10万リットルもの燃料が眠っていた事実は強い反発を招くことになるだろう。
