カオヤイ国立公園の入り口付近、ナコンラーチャシーマー県パクチョン郡のターナーラット通りKm22地点。ミシュラン・ビブグルマンに選ばれたイサーン料理の名店「ペンラーオ」が、またしても深夜の来客に見舞われた。
店のオーナーでカオヤイ観光協会会長のパンチャラー氏が防犯カメラを確認したところ、映っていたのは「プライ・ビアンレック」と呼ばれるカオヤイの野生象だった。店内に侵入して食材や商品を漁り回り、棚や容器をなぎ倒して店内は散乱状態。同じ象による同じ店への侵入は、これで3度目となる。
ペンラーオは3種のキノコを使ったゲーンや伝統的なイサーン料理で知られ、バンコクのラマ3世通りやラマ6世通りにも支店を持つ有名店だ。直近では3月11日の午前4時にも同様の被害に遭っており、その数日後には近くのソムタム店にも「はしご」している。まるでカオヤイのグルメ巡りだ。
カオヤイ観光協会のウィッタヤー事務局長によると、現在約10頭の野生象が公園外のムーシー地区やノーンナムデーン地区に出没して餌を探し回っている。乾季で山中の食料が減る時期に、人里の飲食店や果物売り場が格好のターゲットになるという。プライ・ビアンレックは以前、体に銃創のような傷が見つかった経歴もある札付きの象だ。
年間250万人以上が訪れるカオヤイ国立公園は、野生象との遭遇がハイライトの一つ。しかし近年、公園外に出る象が増え、地域住民や観光業者との共存が深刻な課題になっている。先日も野生の象が罠にかかった野牛を助けようとする心温まるエピソードが報じられたばかりだが、人間の生活圏に入り込む象への対処は一筋縄ではいかない。
日本では絶対に起こり得ない光景だが、タイでは国立公園の周辺で象が道路を横切ったり店に入り込んだりすることは珍しくない。カオヤイを訪れる予定がある方は、夜間の食べ物の管理にご注意を。ミシュラン受賞店の味は、どうやら象にも好評のようである。
