カンボジアのフン・マネット首相がオンライン声明を発表し、タイからカンボジアへの燃料密輸ネットワークに対する捜査を指示した。密輸に関与した企業のライセンスを取り消すと明言し、「最も厳しい法的措置」を取ると宣言した。
カンボジアは2025年6月にタイからの燃料・ガスの輸入を全面的に停止している。にもかかわらず密輸が続いている実態が、タイメディアの報道で浮き彫りになった。先日はTikTokにタイ国旗の船が海上で燃料を横流しする映像が投稿され、両国で波紋を呼んでいる。
タイ側でもアヌティン首相が同日、エネルギー省・海軍・DSI(特別捜査局)を召集して緊急会議を開催。警察・軍・マネーロンダリング対策事務局の合同チームを編成し、密輸グループの摘発に乗り出している。南部の石油倉庫11か所を急襲するなど、陸上での取り締まりも強化されている。
両国首脳が同時に密輸取り締まりを宣言したのは異例だ。タイ国内ではディーゼルが47.74バーツに達し、地方のスタンドでは品切れが頻発している。国民が燃料不足に苦しむ最中に海外へ流出しているとなれば、政治問題化は避けられない。
密輸ルートの遮断がどこまで実効性を持つか、今後の捜査の進展が注目される。タイとカンボジアの間には陸路・海路の複雑な物流網があり、構造的な密輸を根絶するのは容易ではない。

