4月2日夜、トラート県の各ガソリンスタンドに車の長い列ができた。翌3日午前5時からのディーゼル3.50バーツ値上げを前に、少しでも安い価格で確保しようとする人々が殺到した。
バンチャックの給油所では、乗用車や軽トラックに加え、荷台に200リットル入りのドラム缶を積んだ車両が次々と到着した。600〜1,000リットルをまとめ買いする農業従事者や建設業者の姿が目立ち、ドラム缶を2〜3本積んでくる車もあった。
建設請負業のジョンラックさんは「パイルドライバーが10台あり、6気筒エンジンで動く。油がなければ仕事にならない」と話す。1日の消費量は600リットル以上で、値上げ分だけで日に2,100バーツ(約1万円)のコスト増となる計算だ。「政府に何かを求めるつもりはない。この状況を受け入れるしかない」と諦めの表情を見せた。
ラノーン県で500メートル超の行列が報じられたのは1週間前のことだ。その後も値上げが繰り返され、ディーゼル価格は47.74バーツに到達。地方の現場では、値上げのたびに「駆け込み給油」が風物詩と化している。
東部の県境に位置するトラートは農業と漁業が基幹産業だ。漁船のエンジンもディーゼルで動くため、燃料高は海の仕事にも直撃する。ソンクラーンの帰省期間を控え、県民の家計への圧迫はさらに強まる見通しだ。