ディーゼルが3.50バーツ/L値上げされ44.24バーツに到達するとの発表を受け、タイ南部ラノーン県のPTTスタンドに車とバイクが殺到した。行列はスタンドの敷地外に500メートル以上伸び、深夜になっても途切れなかった。
ラノーン県では当日の昼過ぎから「全油種が3バーツ/L値上げ」というフェイクニュースがSNSで拡散していた。夕方に石油基金管理委員会が「ディーゼル3.50バーツ値上げ」を正式発表すると、「フェイクではなく本当だった」とパニックが加速した。
バイクタクシーの運転手は「何が値上がりするか正確にはわからないが、とにかく来た。今入れなきゃ明日はもっと高い」と話した。ソンテウ(乗合トラック)の運転手もテレビのニュースを見てすぐにスタンドに駆けつけたという。
バンコクではスタンドが密集しているため選択肢があるが、ラノーン県のような地方ではスタンドの数が限られる。1つのスタンドが品切れになれば次の店まで数十キロということも珍しくない。「とりあえず満タンにしておく」という行動は合理的だ。
経済対策本部は燃料発表を20時までに制限するルールを導入したが、今回の値上げ発表は日中だったにもかかわらず、夜間のパニック給油は防げなかった。値上げの予告自体がパニックを引き起こす構造は変わっていない。
タイ経済は東南アジアの中でGDP規模でインドネシアに次ぐ第2位に位置する。2025年の実質成長率は約3〜4%で推移しており、観光業と電子機器輸出が主要な牽引力だ。ただし中東情勢に起因するエネルギー価格の高騰と、米中貿易摩擦の影響による輸出減速が重なり、2026年の見通しには不確実性が高まっている。タイ政府は経済対策パッケージの検討を急いでおり、燃料補助・物価対策・中小企業支援の3本柱での対応を進めている。
タイのGDPに占める消費の割合は約55%で、エネルギー価格の上昇は個人消費の冷え込みを通じて経済全体に波及する。特に低所得層の実質購買力低下は深刻で、政府の生活支援策の拡充が求められている。
タイバーツは2026年に入り中東情勢の影響で対ドルで軟調に推移し、輸入物価の上昇を通じてインフレ圧力が高まった。タイ中央銀行は金利政策と為替介入を慎重にバランスさせながら対応している。
タイのGDPに占める消費の割合は約55%で、エネルギー価格の上昇は個人消費の冷え込みを通じて経済全体に波及する。特に低所得層の実質購買力低下は深刻で、政府の生活支援策の拡充が求められている。タイバーツは2026年に入り中東情勢の影響で対ドルで軟調に推移し、輸入物価の上昇を通じてインフレ圧力が高まった。タイ中央銀行は金利政策と為替介入を慎重にバランスさせながら対応している。
タイの輸出は電子機器・自動車・農産品の3本柱で構成されており、合計で年間約2,500億ドル規模に上る。燃料高騰は輸送コストを押し上げ、輸出競争力に影響を与えかねない。政府は主要輸出産業への支援策と為替政策の両面で対応を強化している。
タイは人口約7,000万人を擁する大国で、バンコクを中心に経済・文化・政治が集中している。2026年現在、首相アヌティン・チャーンウィーラクーン率いる連立政権は、中東情勢の影響で高まるエネルギーコストと生活費上昇への対応を最優先課題としている。在タイ日本人・日本企業にとっても、タイの政策動向や社会情勢を把握し、適切に対応することが求められる局面だ。