4月2日時点で、チェンマイ県の大気汚染指数(AQI)は県内全域で「健康に深刻な影響あり」の赤色レベルに達している。最も深刻なチェンダオ郡ではAQI 471、PM2.5濃度345.3µg/m³を記録。メーチェム郡がAQI 341(215.1µg/m³)、市街地でもAQI 259(133.7µg/m³)と、タイの安全基準の数倍に上る。チェンマイは世界の大都市で2番目に大気汚染がひどい都市となった。
原因は森林火災の継続である。4月2日朝の時点でチェンマイ県内の火災熱源(ホットスポット)は163か所。北部17県全体では721か所に上る。1月1日から4月1日までの累計では5,274か所が検出されており、メータン郡(26か所)、ドイタオ郡(24か所)、サムーン郡(22か所)が火災の集中地帯である。
観光への打撃も顕在化している。チェンマイ市内の観光地では訪問者が目に見えて減少した。外出する観光客の多くはマスクを着用しておらず、健康被害への懸念が広がっている。4月中旬のソンクラーン(タイ正月)を前に、旅行者のキャンセル増加を危惧する声もある。
こうした状況を受け、農業航空局のラーチェン・シンラパラヤー局長は4月1日、チェンマイに人工降雨部隊を設置すると発表した。投入されるのはL410型2機、CASA型2機、CN型1機の計5機。ドライアイス散布で粉塵を押し下げ、冷水スプレーで大気を洗浄し、雲を育てて降雨を誘発する3段階の作戦を展開する。同日14時30分にはCASA型1機がドライアイス散布を実行した。
チェンマイのPM2.5は毎年2〜4月に深刻化するが、今年は前日に報じた通り盆地特有の逆転層が「蓋」のように働き、汚染物質が滞留し続けている。焼畑面積は90万ライ(約14.4万ヘクタール)に達しており、消火活動と並行した人工降雨が状況を打開できるかが問われている。

