米国が課したアンチダンピング関税(AD)と相殺関税(CVD)により、タイからの太陽光パネル輸出が約70%減少していることが明らかになった。関税率は385〜1,012%という異例の高水準だ。
この措置は、中国メーカーがタイなど東南アジア諸国を経由して米国に太陽光パネルを迂回輸出しているとの疑惑に基づく。米国商務省は2024年から調査を進め、タイを含む4か国に対して高率の関税を適用した。
関税率は製品によって385%から最大1,012%に達し、タイ製品の価格競争力は事実上消滅した。これにより、タイの太陽光パネル輸出額は大幅に減少。タイに生産拠点を置く中国系メーカーだけでなく、タイ国内の関連企業やサプライチェーンにも打撃が及んでいる。
タイは近年、太陽光パネルの生産・輸出ハブとして急成長してきた。中国メーカーのタイ進出により設備投資や雇用が生まれていたが、米国の関税措置はこの成長モデルに根本的な見直しを迫る。
米中貿易摩擦の波及がタイの製造業に及ぶ構図は、自動車(EV)や半導体など他の産業でも繰り返される可能性がある。