ウドンターニー県ムアン郡で3月29日正午ごろ、自宅で37歳の男性が死亡しているのが見つかった。手にステンレスのコップを握ったまま床に倒れており、水を飲もうとした姿勢だった。熱中症(ヒートストローク)が原因とみられている。
異変に気づいたのは同居していた叔母だ。男性は毎日昼ごろ近所に氷を買いに出ていたが、この日は出てこなかった。叔母が部屋をのぞくと、すでに動かなくなっていた。近くには水筒と赤い甘味飲料が置かれていた。
男性が住んでいたのは平屋建てで、屋根はメタルシート(トタン屋根)を直接葺いた構造だった。天井板(フゥアペーダーン)がなく、太陽熱がそのまま室内に伝わる。タイ語で「ヒートトラップ」と呼ばれる構造で、日中は室温が外気温を大きく上回る。
タイでは北部・東北部で気温41度に達する猛暑が続いている。特にトタン屋根の家屋は低所得層に多く、断熱材や天井板がないケースが少なくない。エアコンはおろか扇風機すら十分でない世帯もある。
暑季(3〜5月)のタイでは熱中症による死亡が毎年報告されている。室内でも安全とは限らず、こまめな水分補給と室温管理が不可欠だ。特に独居者や高齢者は異変に気づく人がそばにいないリスクがある。