バンコク・モーターショー2026のEV展示が過去最大規模となった。中国・日本・欧州ブランドが参戦し、BYD ATTO 1が40万バーツ台前半から登場して価格競争が激化。EVの選択肢が一気に広がった。
過去最大規模のEV展示
バンコク・モーターショー2026(インパクト・チャレンジャーホール)では、電気自動車(EV)コミュニティが史上最大規模となった。エントリー価格帯のEVから高価格帯まで、幅広い選択肢が並んだ。
主要な出展モデルとその価格帯は次の通りだ。BYD ATTO 1(旧Seagull)は40万バーツ台前半からの設定で、EVの普及価格帯を大きく引き下げた。中国系ブランドが量産コストの低さを武器に価格勝負を仕掛けている形だ。
BYD ATTO 1の詳細
BYD ATTO 1のタイでの正式価格は、Dynamic(30kWh)が429,900バーツ、Premium(38.8kWh)が459,900バーツ。中国からCBU(完成車輸入)で持ち込まれる。Rever Automotiveが販売を担当し、車両保証は8年または16万kmで、バッテリーには生涯保証(Lifetime Warranty)が付く。24時間ロードサービスも8年間無償提供される。
ATTO 1は全長3,780mmのコンパクト5ドアハッチバック。都市部での取り回しを重視した設計で、バンコク市内の渋滞や駐車場事情に適したサイズ感だ。
日本車・欧州車も参戦
ホンダはForza350(二輪)とともに四輪EVの「e:N2」を142.9万バーツで展示した。テスラは6人乗り3列シートの「Model Y L」を199.9万バーツで公開した。高額帯のEVも充実しており、富裕層から一般消費者まで幅広い客層を意識したラインナップとなっている。
BYD以外の中国系ブランドでは、NEATAやOMODA&JAECOなども参加した。欧州系ではベンツ・BMWもEVラインを展示している。
タイのEV市場の現状
タイ政府は2030年までにEV生産比率30%を目指す「30@30」政策を推進している。この政策を背景に、EVへの減税・補助金制度が整備され、BYDなど中国系メーカーがタイへの工場設立を進めている。
2025年のタイEV販売台数は前年比で大幅増加し、全体の自動車販売に占める割合が拡大傾向にある。中国系ブランドがシェアを伸ばし、従来の日系メーカーが圧力を受ける構図が鮮明になっている。ただしアフターサービスや充電インフラの整備状況では差があり、購入後のサポート体制も選択の判断基準となっている。
モーターショーでのEV展示増加は、タイ自動車市場が転換点に差し掛かっていることを示す象徴的な出来事だった。