国会議員のタウィー・ソットソン元法務大臣(プラチャーチャート党)が2026年3月27日、追加予算を使わずに電気代を即座に1単位あたり0.52バーツ引き下げる方法があると提案した。タイのガスの分配構造に問題があると指摘し、内国産ガスを発電に優先的に使えば電気代が大幅に下がると主張した。
提案の骨子
タウィー議員の主張の核心は「タイ湾のガス配分の不公平さ」だ。エラワン・ボンコット・アーティットなどタイ湾の天然ガス採掘場は、安価なコスト(1MMBTUあたり約201バーツ)で天然ガスを供給できる。ところが現行制度では、このガスが石油化学産業に優先的に配分される。
一方で発電所には「プールガス」方式が採用されており、国内産ガスと高価なLNG輸入ガス(約485バーツ/MMBTU)を混合した平均価格で調達している。その結果、発電コストが不必要に高止まりしており、その分が電気代に上乗せされているという。
具体的な試算
タウィー議員の計算では、石油化学産業が使っている国内産安価ガスを発電に振り向ければ、平均発電コストが下がり、電気代が0.52バーツ/単位下げられる。日本の家庭用電力料金と比較すると、タイの電気代はすでに安い部類に入るが、工場・農業・小商いにとっては積み重なると大きな差になる。
政府の反応
政府側からは正式なコメントはなかったが、エネルギー業界関係者は「石油化学産業へのガス優先供給には既存の契約があり、即座の変更は難しい」との見方を示した。一方で議員提案は国会内外で注目を集め、エネルギー政策改革の議論に火をつけた。
タイのエネルギー構造と課題
タイは天然ガスが発電の主力燃料だが、国内産の採掘量は徐々に減少しており、今後LNG輸入依存度が高まる見通しだ。エネルギー政策の不透明さや補助制度の複雑さも長年指摘されており、今回のタウィー議員の提案は「既得権益の問題」として一定の支持を集めた。