中国河南省の企業が、社員の親・家族合わせて4,000人以上をタイへの無料旅行に招待した。旅費・宿泊費・食費すべて会社負担で、総額は1,000万元(約4,700万バーツ・約2億円)以上に達したとされる。
中国では利益を社員や家族に還元する「福利旅行」が上場・中堅企業で定番となっており、今回のタイ旅行もその一環だ。行き先としてタイが選ばれたのは、中国からの直行便が豊富で移動時間が短く、ビザ免除(2023年以降)、食事・宿泊費が中国国内大都市より安いという条件が揃っているためだ。タイ料理も中国人に受け入れられやすい風味で、食の不安が少ない点も評価されている。
4,000人規模の受け入れはホテル・バス・観光施設にとって大きな需要だ。バンコクやパタヤ、チェンマイの大型ホテルが受け入れ先となり、専用の観光バス数十台を動員する大規模な受け入れ体制が組まれた。飲食店や土産物店にも一気に数百万バーツ規模の売上がもたらされた。
タイ観光庁(TAT)のデータでは、2026年の中国人訪問者数は年間700〜800万人規模が見込まれており、コロナ前に迫りつつある。企業の福利旅行・インセンティブツアーは個人旅行と異なり、まとまった期間に大人数が同時に動くため、受け入れ地域への経済効果が集中する。
燃料危機でソンクラーン観光が落ち込む懸念がある中、中国からの大型インバウンド需要はタイ観光業にとって重要な収入源だ。特に地方都市では、こうした中国企業のツアーが年に数回の主要イベントとなっているケースがある。