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「HIV陽性でも警察官になれるべき」タイで採用禁止規定の撤廃求め署名提出

生活出典:The Thaiger2026/03/26 14:00

タイのHIV支援団体が3月25日、HIV陽性者を警察官の採用試験から排除する規定の撤廃を求め、国家警察本部に請願書を提出した。治療を続ければ感染力がなくなる「U=U」の科学的根拠を挙げ、憲法違反だと主張している。

請願を行ったのは、タイHIVネットワークと包摂的権利行動財団(FAIR)の2団体だ。国家警察本部前で記者会見を開き、キッティラット・パンペット警察長官宛の文書を提出した。

問題視されているのは、2023年の警察委員会規則に含まれる第11.8.5項だ。この規定は「AIDSおよび/またはHIV感染」を警察官の採用不適格条件として明記している。団体側は、この規定が科学的根拠を欠き、タイ憲法第27条が禁じる健康状態に基づく差別にあたると指摘する。

団体が根拠に挙げるのは、国際的に認められた「U=U(Undetectable = Untransmittable)」の原則だ。抗レトロウイルス療法を継続的に受けている人は、血中ウイルス量が検出限界以下に抑えられ、他者にHIVを感染させることがない。この医学的事実は、WHO(世界保健機関)や各国の保健当局が公式に認めている。

団体は3つの具体的な要求を掲げた。第一に、採用規則からHIV関連の条項を削除すること。第二に、人権と最新の科学に基づいて採用基準全体を見直すこと。第三に、警察組織内のHIVに対する偏見を解消する教育を実施すること。

タイは東南アジアの中でもHIV対策の先進国とされ、治療へのアクセスや社会的な受容が比較的進んでいる。それだけに、公的機関の採用規則にHIV排除条項が残っていることへの批判は根強い。警察側の正式な回答はまだ出ていない。