日産がバンコク・モーターショー2026で、セレナe-POWER(C28型)を通常価格から10万バーツ引きの159万バーツ(約690万円)でモーターショー期間限定販売すると発表した。日本からの完成車(CBU)輸入モデルで、シリーズハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載した7人乗りミニバンだ。
e-POWERとはエンジンを発電専用に使い、モーターだけで駆動するシリーズハイブリッドシステムだ。エンジンが発電し、その電力でモーターを回して走るため、加速はほぼ電気自動車のような滑らかさになる。アクセルを離すと強い回生ブレーキがかかる「e-Pedalステップ」モードも利用でき、アクセル操作だけで速度調整ができる。燃費はJC08モードで約15km/L前後で、ガソリン車より大幅に燃費が良い。タイの燃料危機が続く中で、維持費を抑えたいファミリー層には魅力的な選択肢だ。
セレナC28型は2022年に日本でフルモデルチェンジした最新型で、3列シートを持ち大人7〜8人が乗車できる。スライドドアは両側電動で、子どもを乗せる家庭での利便性が高い。日本では年間数万台規模で販売される主力ミニバンで、安全性・使いやすさ・空間効率において長年の定評がある。
タイでは従来、ミニバンの選択肢が限られていた。フルサイズのスライドドア付きミニバン市場は日本ブランドが支配してきたが、中国系EVメーカーのSUV攻勢で市場環境が変わりつつある。ミニバンセグメントはまだ中国勢の参入が少なく、日産にとっては優位な市場だ。10万バーツの値引きはモーターショー来場客に決断を促すための施策で、在庫消化と新規顧客開拓を狙った動きとみられる。
タイでは1,590,000バーツという価格は中間層にとって高い買い物だ。ただしガソリン代の高騰が続く状況下では、燃費の良いe-POWERの5〜10年の総保有コストを試算すると、ガソリン車より実質的にコストが抑えられる可能性がある。