タイ民主党(ปชป.、Democrat Party)のポンサコーン・ペーンコン議員が、ディーゼル価格を今すぐリットルあたり9バーツ引き下げることが可能だ、と主張した。プラチャーチャートが3月に伝えた。引き下げの計算式は「6+3」、つまり6バーツ分は製油所への補助をやめることで、残り3バーツは石油基金の活用で捻出できる、というのが議員の説明だ。
論点になっているのは、政府がディーゼル価格をどこまでコントロールすべきかという話なのだが、民主党が突いているのは「市場任せにする前に、まず製油所への手厚い補助を止めるべきだ」というところだ。原油そのものの国際価格が下がっても、製油所のマージンが厚いままで小売価格に十分反映されない、というイメージで捉えると分かりやすい。
引っかかったのは「9バーツ」という数字の主張の仕方だ。1リットルあたり9バーツ(約42円)というのは小さくない金額で、ディーゼルを毎日大量に使うトラック・タクシー・トゥクトゥクのドライバーにとっては、月の手取りが目に見えて変わるレベルになる。家計目線でも、軽油給湯や農機用燃料の負担が直撃する話なので、野党としては有権者に届きやすいテーマを選んだ、という見え方になる。
ただ、「6+3」のうち6バーツ分は製油所の利益構造に直接踏み込む話で、簡単に通る議論ではない。タイの主要製油所は上場企業として運営されていて、株主・財閥との関係も絡む。民主党の側もそこは織り込んだうえで、あえて「補助を止めろ」とぶつけたものだろう。
具体的な制度設計や、政府側の反論がどう出るかは続報待ちだが、選挙が遠くないタイミングで「燃料9バーツ」というキャッチーな数字が出てきたことには、それ自体ニュース価値がある。