ルッタポン法務大臣は2026年3月25日、ラヨーン県のグリーンオイル(น้ำมันเขียว)専用タンクを視察すると表明した。大型漁船向けの免税燃料であるグリーンオイルが、燃料価格高騰を利用してタイ国外に密輸されている疑いがあることへの対応だ。
グリーンオイルとは何か
グリーンオイルは100トン超の大型商業漁船に使用が限定された燃料で、通常のディーゼルに課される物品税と石油基金への拠出が免除されている。低コストで調達できることで漁業者の燃料負担を軽減することが目的だ。
しかし燃料危機下では、免税で安く買えるグリーンオイルを国外で高く売ることで利益を得る動機が生じる。大臣の視察はこの抜け穴を封じる狙いがある。タイ国内でグリーンオイルを製造できる会社は1社しかないため、その会社の在庫と出荷量を確認することで密輸の有無をある程度把握できる。
DSIによる大規模調査の結果
特別捜査局(DSI)は同時期に大手燃料販売業者55社と仲介業者245社を対象にした調査を実施した。大臣によるとこの段階では不正行為や備蓄行為は確認されなかった。ただし調査が形式的なものにとどまっているとの批判もあった。
燃料価格危機と漁業への打撃
2026年3月の燃料危機でタイ南部の漁港では、燃料を確保できない漁船が多数出漁を見合わせた。南部だけで200隻以上の漁船が影響を受けたとの報道があった。漁業はタイ南部の主要産業であり、その持続可能性は地域経済に直結する。グリーンオイルの管理と流通の透明性確保は、漁業者の生計を守るための重要な課題だ。
