チョンブリー県シーラチャー港からシーチャン島(เกาะสีชัง)を結ぶフェリーの運航会社が、2026年3月末時点でのディーゼル高騰にもかかわらず、旅客運賃を現行の1回60バーツ(約260円)に据え置くことを決めた。当面は値上げを見送るとThe Pattaya Newsが報じた。
運賃を据え置いた理由
フェリー運航会社は、ディーゼル価格の上昇によるコスト増大を認識しながらも、「当面は利用者への負担をかけない」という判断をした。具体的な理由として、1)燃料危機が短期間で収束する可能性がある、2)値上げによる利用者離れのリスク、3)観光依存の島の経済への配慮、の3点が考えられる。
シーチャン島は観光が主産業で、バンコクから週末に訪れる旅行者がフェリーを利用する。60バーツという運賃は2019年頃から変わっておらず、コスト増加の影響を内部で吸収してきた歴史がある。
シーチャン島の観光価値
シーチャン島はチョンブリー県沖に位置する面積約12平方キロメートルの小島で、シーラチャー港から船で約40分。静かな海辺と古い寺院、タイ王室の離宮跡(ジャオポー・シーチャン)が見どころだ。
水上コテージのリゾートも点在し、バンコクから日帰りまたは1泊2日の旅が可能なため、週末に家族連れやカップルで賑わう。外国人観光客よりタイ人旅行者が多く、「地元民の小旅行先」として定着している。
フェリー運賃の比較
バンコク近郊の島々へのフェリー運賃は様々だ。パタヤからコーラン島(珊瑚島)への往復は約150〜200バーツ、スラータニーからサムイ島への高速フェリーは片道600〜1,000バーツと大きく異なる。シーチャン島の60バーツは交通費として手ごろで、観光障壁が低い。
ただし島の物価は都市部より高く、宿泊や食事のコストは本土より割高になる。フェリー代を安く抑えても、島滞在のトータルコストは考慮が必要だ。
今後の見通し
ディーゼル価格の高騰が長期化すれば、運航会社は最終的には運賃引き上げを検討せざるを得ない状況だ。タイの海運業では「燃料サーチャージ」という形で追加料金を設ける会社もあるが、定期旅客フェリーの場合は規制当局の承認が必要な場合もある。
2026年3月末の時点では、政府が「ソンクラーン(4月)以降に価格が安定する見通し」を示していたことも、運賃据え置きの判断を後押しした可能性がある。