タイのエネルギー省のプラサート次官が2026年3月下旬、「ディーゼル価格を33バーツに固定している現状をできる限り長く維持する」と述べた。しかしいつまで持続できるかという問いには「答えられない」と明言した。
背景
中東情勢の悪化で国際原油価格が急騰し、タイの石油基金の補助金負担が急増していた。石油基金はすでに数兆バーツの累積赤字を抱えており、「33バーツ固定」が財政的に持続できる期限は見えない状態だった。
プラサート次官が「答えられない」と言ったのは、原油価格が今後どう動くか予測できないからだ。国際原油市場はイランとイスラエルの情勢に直接連動しており、中東の動向次第で週単位で変わりうる。
33バーツ固定の仕組み
石油基金は小売ディーゼル価格を「市場価格と小売価格の差分」を補助する仕組みだ。市場価格が33バーツより高ければ高いほど、基金が負担する補助額が増える。当時の国際価格ベースでは1リットルあたり40〜50バーツ相当だったため、差額の7〜17バーツを基金が肩代わりしていた計算になる。
この負担が1日あたり数千億バーツというのは、基金の設立以来経験したことのない規模だった。
段階的値上げへの転換
「いつまで33バーツを維持できるか分からない」というプラサート次官の発言は、数日後に33バーツから段階的な値上げが実施されることを事実上予告するものだった。政府はその後、33→35→38→40バーツと段階的に引き上げを認めた。
