ウタイターニー県警は、燃料高騰の深刻化を受けてパトロール活動の一部を自転車と徒歩に切り替えると発表した。バイクや車の燃料消費を抑えながら治安維持を続ける取り組みで、地域の市場やコミュニティを巡回する。
具体的には「STOP-WALK-TALK(立ち止まる・歩く・話す)」という3段階の巡回方式を採用した。パトロール隊員が地区内の商業施設や公共の場に立ち止まり、住民と直接対話しながら治安情報を収集する。自転車での機動力と徒歩での細かな観察を組み合わせた方式だ。
ウタイターニー県は中部タイの農業県で、県庁所在地の市街地規模は大きくなく、自転車・徒歩でのカバーが現実的だ。ガソリンスタンドでの給油待ち行列や供給不足が続く中、警察もまた燃料コストの高騰を免れない。県警の予算から燃料費を削減することで、他の治安活動に資源を回す狙いもある。
ただし自転車・徒歩パトロールは、緊急時の機動力と対応範囲に限界がある。犯罪追跡や遠距離対応が必要な案件ではバイク・車のパトロールが不可欠だ。県警は「緊急対応用の車両は確保しており、通常のコミュニティ巡回部分を自転車・徒歩に切り替える」と説明している。
燃料危機がタイの公共サービスに影響を及ぼした事例は多岐にわたる。自治体の清掃車やゴミ収集車の運行回数が減った地域、農村部の救急車の出動が遅延したケース、学校スクールバスの運行停止など、行政サービス全体に燃料費の圧力がのしかかっている。警察のパトロール方式の変更は、その中でも象徴的な事例だ。
