タイ当局は違法稼働していた仮想通貨(Bitcoin)マイニング施設63カ所を全国で一斉摘発し、マイニング機器を押収した。電力を不正に引き込んで使用した被害額は33万ドル(約1,100万バーツ)を超える。
タイ当局の調査によると、摘発された施設は住宅、倉庫、工場の空きスペースなどに隠されており、電力メーターを不正に改ざんしたり、バイパス回路を設けて電力会社の計測を回避していた。中には1棟の建物に数百台のマイニング機器を並べた「ファーム」規模の施設もあった。
Bitcoinマイニングは膨大な計算処理を行うため、GPUやASICマイナーが24時間稼働し続ける。1台あたりの消費電力は1,000〜3,500Wに達し、100台規模の施設では家庭数十軒分の電力を消費する。タイの電気料金は産業用でも比較的安く、東南アジアの中ではマイニングコストが抑えられる環境にある。
燃料危機で電力コストが上昇する中でも、Bitcoinの価格が高水準を維持していれば違法マイニングの収益性は保たれる。2025〜2026年にかけてBitcoinが再び上昇トレンドに入ったことが、違法施設の増加を招いた一因とみられる。
タイ電力公社(PEA)はスマートメーターの導入と異常消費の監視強化を進めており、今回の一斉摘発はその成果の一つだ。マイニング機器の押収に加え、施設の運営者には窃盗罪・コンピューター犯罪法違反の容疑で刑事手続きが取られる。
