ロシア人男性がタイで仮想通貨取引をめぐるトラブルから暴行・強盗被害に遭った。相手方と対面で仮想通貨の売買交渉を行っていた際に暴力を受け、金品を奪われた。タイ警察が事件を調査している。
タイに長期滞在または移住する外国人の間で、仮想通貨(とりわけビットコイン、USDT、イーサリアム)を保有・取引するケースが増えている。ロシア・ウクライナ紛争後のロシア人やウクライナ人のタイへの移住が増加したことも背景にあり、彼らはロシアからの送金制限を回避するために仮想通貨を活用するケースが多い。
仮想通貨の「対面取引(P2P)」は、お互いが直接会って現金と暗号資産を交換する取引形態だ。取引所を通さずに行えるメリットがある一方で、相手方の身元確認が難しく、物理的なトラブルや詐欺のリスクが高い。暗号資産の移転は取り消し不可能なため、「払ったが相手に逃げられた」「受け取る前に暴力を受けた」というケースで被害者が法的救済を求めることが難しい場合もある。
タイでは仮想通貨保有者が強盗のターゲットになる事件がここ数年で増加している。パタヤやバンコクで外国人の仮想通貨保有者が拉致・脅迫されたり、対面取引の場で強盗被害に遭うケースが報告されている。当局は仮想通貨の対面取引には十分な注意が必要だと繰り返し警告しており、金融規制当局(SEC)も登録済み取引所を通じた取引を推奨している。
タイのSECは仮想通貨取引所の登録制を導入しており、登録済みの取引所を使えば本人確認と取引記録が残る。仮想通貨を保有する場合は、ハードウェアウォレットを使った自己保管か、信頼できる登録業者を通じた取引が推奨されている。
