タイ在住のウクライナ人男性が25万ドル(約850万バーツ)相当の仮想通貨USDT(テザー)を強奪される事件がタイで発生した。対面での仮想通貨取引中に犯行に及ばれたとみられ、タイで繰り返し起きているクリプト関連強盗の最新事例となった。
タイでは2022〜2026年にかけて、仮想通貨の「フェイス・トゥ・フェイス(対面)取引」を悪用した強盗・詐欺事件が増加している。ウォレット移転の際に強要されるケース、現金と仮想通貨を交換する際に騙し取られるケース、そして今回のような「強取」パターンが主な手口だ。
タイ警察サイバー犯罪対策センター(PCT)は対面での大口仮想通貨取引に際し「一人で行かない」「取引は人目のある公共の場で行う」「公式取引所を通した取引を優先する」と繰り返し呼びかけている。しかし過去の事案を見ると、知り合い・紹介経由で「個人間取引」をしようとした際に犯行が起きることが多く、「信頼していた相手」という誤認が被害を招く。
タイのSEC(証券取引委員会)が認可する取引所(Bitkub・KuCoinなど)を通じた取引なら証跡が残り、詐欺被害時の追跡・補償手続きが可能な場合がある。個人間の「P2P(ピア・トゥ・ピア)」取引は規制の枠外で行われることが多く、トラブル時の保護が薄い。
日本でも2024〜2026年にかけて「強盗ルフィグループ」以降の闇バイト型強盗の一形態として仮想通貨ターゲット犯罪が懸念されている。タイでは外国人も含めた仮想通貨保有者が多く、悪意ある第三者にとっての標的になりやすい環境が続いている。タイ移住・長期滞在を考える際には、大量の仮想通貨を保有・移動する際のセキュリティ対策が不可欠だ。
