即席麺ブランド「ママー(MAMA)」を製造するユニアレ・グループの社長パン・パニアンウェート氏は2026年3月23日、上院での「ママー値上げ」議論について「全く知らない話だ。国会でどこからそういう話が出てきたのか分からない」と強く否定した。
事の発端
3月23日の上院本会議でパティマー・チラペット上院議員が、燃料高騰と物価上昇の影響を議論する中で「即席麺(ママー)も近く値上げになる」と発言し、節約や食料自給の重要性を訴えた。この発言がSNSで切り取られて拡散し、「ママーが値上がりする」という情報が独り歩きした。
ユニアレ・グループ(UNI-LEVER Groupとは別会社)は複数のメディアからの問い合わせを受け、パン社長が「値上げの話は全く知らない。国会で我々に何の連絡もなく話が出た」と否定した。
ママーとタイの食文化
「MAMA(มาม่า)」はタイで1972年に誕生した即席麺ブランドで、タイ国民に最も親しまれた食品の一つだ。1袋6〜8バーツ(約25〜35円)という手頃な価格で、特に低所得層や学生の食事として重宝されてきた。
種類は40種類以上あり、タイスキ味、ヤムウンセン風味、人気のとんこつ風「Pork Bone Flavour」など、タイの味覚に合わせたバリエーションが揃う。海外にも輸出されており、日本のアジア系食料品店でも購入できる。
物価高騰への不安が生み出す「噂」
2026年3月のタイでは、燃料危機と物価高騰への不安が高まっていた。「次は何が値上がりするか」という不安心理が強まる中、議員の発言がきっかけとなって価格上昇の「噂」が拡散する事態が起きた。
ママーの値上がりが現実になれば低所得者層の生活に直接影響するため、敏感に反応する人が多かった。タイ政府の商業省はこうした混乱を受けて、価格管理商品リストの対象となる食品については価格上昇がないことを改めて周知した。
価格管理の仕組み
タイでは即席麺を含む一部の食料品が「内閣令による価格管理商品(สินค้าควบคุมราคา)」に指定されている。業者が価格を大幅に引き上げる場合は商業省への届け出と承認が必要で、一方的な値上げは法律上できない仕組みだ。ユニアレ社はこの制度のもとで即席麺の価格を長年据え置いてきた。