タイの国会議員がスヌーカー(ビリヤードの一種)の法的分類を「賭博」から「スポーツ」へ変更する法改正を提案した。きっかけは、タイ人選手がスヌーカー国際大会で優勝し世界的な注目を集めたことだ。
現行のタイの法律では、スヌーカーは「賭博に使われうる遊技」に分類されており、スヌーカー場の営業には賭博場としての許可が必要だ。この分類はイギリス植民地時代の法律を引き継いだものとされており、スヌーカーがスポーツとして普及した現代の実態とは合わない。提案した議員は「フォーミュラ1(F1)、スカイダイビング、スヌーカーのタイ代表選手が世界で活躍している時代に、スヌーカーをギャンブルとして扱うのは矛盾している」と主張した。
タイではスヌーカー人口は多く、地方都市にも専門のビリヤードクラブが点在する。しかし法的分類のために施設の運営が制限され、大会・学校・ジュニア育成プログラムの整備が困難になってきた。国際スヌーカー連盟(WSF)への加盟はあるが、法律上の地位が不安定なままでは代表選手の強化・育成体制の整備に限界がある。
スポーツへの分類変更が実現すれば、スヌーカー施設の設置・運営に必要な許可が大幅に簡略化される。競技人口の拡大、ジュニア選手の育成、国際大会の誘致など、競技普及への道が開ける可能性がある。一方で賭博との関連性を完全に否定するのは難しいという意見もあり、法改正の実現には時間がかかるとみられる。
タイでは近年、スポーツの振興と合法化の動きが活発で、スポーツ賭博の一部解禁やe-Sportsのスポーツ競技化も議論されている。スヌーカーの法的地位の見直しはその流れに沿ったものだ。