エネルギー政策計画局(EPPO)のワッチャリン・ブーンリット副局長は3月23日、首相府で記者会見し、「タイのディーゼル価格はマレーシアよりも安い」と述べた。中東の紛争で原油価格が急騰する中、タイ政府の価格抑制策が機能していると強調する狙いだ。
ワッチャリン氏はドバイ原油が3月20日に1バレル158ドルに達したことに触れ、「これほどの原油高にもかかわらず、タイのディーゼルとガソリンの小売価格は管理下にある」と述べた。マレーシアは産油国で政府補助金が手厚いことで知られるが、タイがそれよりも安いという主張はやや意外な比較だ。
マレーシアではRON95ガソリンが1リットル2.05リンギット(約65円)に補助金で抑えられている。一方、タイのディーゼルは約30バーツ(約130円)で、単純比較ではマレーシアの方が安い。エネルギー省がどのような基準で「安い」と言っているのか、詳細な根拠は示されていない。
日本のレギュラーガソリンは補助金込みで約175円/リットルだ。タイのガソリンは約40バーツ(約170円)で、日本とほぼ同水準となっている。原油高が世界共通の課題であることを示す数字だ。
タイ政府は石油基金からの補填と備蓄放出の二本柱で価格を維持しているが、基金の財源は限りがある。NIDA世論調査では国民の44%が政府の対応を信じていないという結果が出ており、「マレーシアより安い」という発言がどこまで国民の不安を和らげるかは疑問だ。