チュムポーン県で燃料不足が続いている。ディーゼルの在庫が尽きたスタンドが相次ぎ、給油を待つ車の列が長時間に及んでいる。待ち時間の長さにエンジンを切った車が再始動できなくなるケースも報告された。
南部タイ有数の農業県であるチュムポーンでは、パーム油やゴムの収穫・輸送に燃料が欠かせない。農家はトラクターやポンプの燃料確保に奔走しており、収穫期を控えた作業に支障が出始めている。
政府は石油備蓄の放出を命じ、エネルギー省は「Fuel Now」アプリで在庫のあるスタンドを検索できるようにした。しかしチュムポーンのような南部の県では、バンコクや東部工業地帯への優先供給の陰で燃料が回ってこないとの不満が強い。
日本でも2011年の震災直後に東北地方で同様の光景が見られた。ガソリンスタンドに数時間並び、1回あたり10リットルや20リットルに制限された。タイでも同じ制限が各地で導入されているが、解消の見通しは立っていない。
南部では漁業への影響も出ている。サムットサーコーンでは漁船が操業を停止し、チュムポーンでも同様の動きが広がりつつある。燃料危機がタイの食料供給に波及するリスクが高まっている。