タイ疾病管理局(DDC)のモンティアン・カーナサワット局長は5月19日、国内のMpox(サル痘)感染状況を更新し、累計感染者が1,074人、死者は16人に達したと公表した。観光地での性的接触で感染したとみられる外国人観光客の新規感染も含まれていた。
注目されたのは、より感染力が強いとされる「Clade Ib」系統の新規感染が出た点だ。直近の感染事例の中に、観光地での性的接触をリスク因子とする外国人観光客1人が含まれており、国際保健規則(IHR)のルートを経由して報告された。具体的な国籍は公表されていない。
タイのMpox感染は、観光大国という地の利と表裏一体の問題でもある。世界各地から人が集まる観光地やナイトライフのシーンで、不特定の相手との接触から広がるパターンが続いている。DDCは、男性同士の性的接触を持つ層(MSM)を中心とした高リスクグループに、症状監視と早期受診を強く呼びかけた。
Mpoxの主な症状は発熱・倦怠感のあとに出る発疹や水疱で、リンパ節の腫れを伴うことが多い。DDCは、症状に気付いたら自己判断せず、ホットライン1422や近くの医療機関に連絡してほしいとしている。観光やパーティーで盛り上がるシーズンの直前というタイミングだけに、当局の警戒のトーンはやけに具体的だ。
数字だけ見ればまだ感染規模は限定的だが、外国人観光客の新規Clade Ib感染という今回のニュースは、タイで暮らす側にとっても、休暇でタイを訪れる側にとっても、「他人事ではない」と確認させる種類のものだ。