Agoda(アゴダ)が公表したタイ家族の旅行検索データで、学校休暇(2025年10月期)の海外旅行先トップが東京、2位が香港、3位が大阪、4位がシンガポール、5位がソウル、という結果になった。日本の2都市が同時にトップ5入りしている格好だ。海外旅行全体の検索数は前年同期比+3%とほぼ横ばいだが、国内旅行は+26%と大きく伸びている。
「家族で東京」というのは、もはやタイの定番なんだろう。Agodaが東京1位の訴求点として挙げているのは、涼しい気候、ディズニーランド、ディズニーシー、そして上野動物園。10月、タイがまだ気温30度を超えてくる頃に、東京は最高気温20度前後まで下りてくる。涼みに行く海外旅行、という発想は、住んでいる側からするとやや新鮮だ。
興味深いのは、トップ5のなかで増加率がいちばん大きかったのがソウルで、前年比+33%という数字が出ている点だ。けん引役としてAgodaが名指ししたのはK-POP文化。子供の推し活動に家族で付き添う、という旅行スタイルが、検索データのレベルで姿を現してきている。タイの若年層の文化消費が、家族旅行の行き先までじわりと書き換えつつある、という話だろう。
大阪が3位に入っているのも見逃せない。東京と並走する第二の選択肢として、関西エリアが安定して指名されている。京都・奈良が日帰り圏で抑えられる地理的な手軽さも、家族旅行との相性がいい。
| 順位 | 海外旅行先 |
|---|
| 1 | 東京 |
| 2 | 香港 |
| 3 | 大阪 |
| 4 | シンガポール |
| 5 | ソウル(+33%) |
海外旅行+3%に対して、国内旅行+26%という落差の方が、ある意味でこの調査の本丸かもしれない。国内のトップ5はパタヤ(+14%)、ホアヒン(+12%)、バンコク(+20%)、チョンブリ(+30%)、カオヤイ(+23%)。海岸沿いのリゾートと、山あいの避暑地が綺麗に並んでいる。
| 順位 | 国内旅行先 | 増加率 |
|---|
| 1 | パタヤ | +14% |
| 2 | ホアヒン | +12% |
| 3 | バンコク | +20% |
| 4 | チョンブリ | +30% |
| 5 | カオヤイ | +23% |
海外を3%しか伸ばさない一方で、国内には4分の1以上も需要が傾く。バーツの動きや航空券の高止まり、世界情勢の不透明感など、いろいろ理由は重ねられるが、検索行動の段階で「今年はちょっと近場で」という気持ちが顔を出している、と読むのが素直なところだろう。
それでも、ランキングの頂点に居続けるのは東京だ。日本側からすれば、放っておいてもタイ家族が指名してくれる、という構図がしばらく続きそうだ。