英国の老舗独立校「ノース・ロンドン・カレジエート・スクール(NLCS)」のインターナショナル部門が、プーケットに新キャンパスを開く。タイの不動産・ホスピタリティ企業VLCグループとの提携で、5月18日にパトンビーチのコートヤード・バイ・マリオットで契約が交わされた。開校予定は2028年第3四半期、場所はプーケット県のチャーン・タレイだ。
NLCSは1850年創立で、175年の歴史を持つ。Sunday Times Parent Power Guide 2026では、独立中等学校・独立IB校・ロンドン独立中等学校の3部門で「Year」を獲得しているという、英国の名門校のなかでもなかなか派手な実績の学校である。インターナショナル部門は済州、ドバイ、シンガポール、神戸、そして香港(2027年予定)とアジア・中東でキャンパスを増やしてきた。プーケットはその次のピースということになる。
プーケット校は3歳から18歳までを対象とした共学のデイ&ボーディング(通学+寄宿)校で、開校時の定員は約1,000名、将来的に1,500名規模まで拡張する計画だ。50mプール、屋根付きテニスコート、サッカー場、スポーツホール、寄宿棟、ジュニアスクール、シニアスクールに加えて科学・技術系の設備が用意される。寄宿があるということは、バンコクや近隣諸国からの留学生も視野に入れているということだ。
引っかかったのは「なぜプーケットなのか」だ。タイの国際学校の主戦場は今もバンコクで、Patana、ISB、NIST、Harrowなどがしのぎを削っている。KasikornResearchが2025年に出した予測ではタイの国際学校市場は年9.7%成長とされており、バンコクで枠が足らなくなった層をどこが拾うかという段階に入っている。プーケットには既にBISPやUWC Thailandといった先行校があり、リゾート地でありながら教育拠点としても積み上がってきた場所だ。VLCグループ会長のソンブーン・チラユスーン氏が契約締結式で口にした「Top schools は周りにコミュニティを生む」という言い回しは、観光だけに頼ってきたプーケットを「家族が長く住める街」に作り替えたい、というメッセージとして読める。
開校は2028年で、まだ2年以上先の話だが、不動産・教育・観光のどれにも刺さってくるニュースで、地元では地味に大きな話題になりそうである。