タイ北部ラムパーン県の旧寺院跡の仏像サーラー(休憩堂)で5月14日、トタン屋根を修理していた40歳のロップさんが、近くの高圧電線にトタンが接触して感電、3メートル超の高さから屋根から転落して負傷する事故が発生した。タイの雨期入りに合わせて屋根修理が増えるこの時期、高圧電線近接の現場での感電事故は毎年発生する典型的なリスクで、地方の旧寺院・古い集会所の修繕は特に危険が伴う構造だ。在タイ日本人駐在員にとっても、自宅・コンドミニアム周辺の屋根修理を業者に依頼する際の安全確認の参考になる事案だ。
5月14日、ラムパーンの旧寺院仏像サーラー
事故が発生したのはラムパーン県ムアン郡ピチャイ町ドンムン村。ラムパーン市警察、サムラサックモントリ病院救急隊、ピチャイ町パトロール警察が緊急通報を受けて現場へ駆けつけた。事故現場は地域の旧寺院跡で、仏像が安置された雨除けの茅葺サーラーの屋根上だった。
修理対象は雨除けの茅葺、漏水で電力会社許可済み
地域住民の説明によると、この旧寺院は過去に水害で頻繁に水没した経緯があり、寺院機能を別の場所に移したが、仏像だけは元の場所に残されたという。住民が仏像を雨から守るために茅葺のサーラーを建てたが、長年の経過で屋根に漏れが生じていた。今回の修理は、住民が地元電力会社(PEA)に許可を取り付けた上で実施していた、正規の手続きを経た作業だった。
トタンが高圧電線に接触→感電→3m超の高さから転落
事故当事者のロップさん(40歳・ドンムン村住民)は、修理用のトタン板を屋根に上げる過程で、近くにあった高圧電線にトタンが接触した可能性が高い。電気が短絡してトタンを通じて体に流れ、感電状態でサーラーの屋根(地上から3メートル超)から地面に転落した。
救命処置で意識回復、命に別状なし
警察と救急隊が現場に到着した時、ロップさんは地面に意識を失った状態で倒れていた。体の複数箇所に傷があり、即座に応急処置が行われた上で、地元の病院へ搬送された。幸い命には別状はなく、住民の間では「奇跡的に助かった」と話題になっている。
タイ雨期の屋根修理リスクと安全策
タイの雨期入り(5/15正式)と並行して、住宅・寺院・集会所の屋根修理需要が急増する時期だ。一方、地方部の建物は古い高圧電線が近接して走っているケースが多く、無資格・無届の修理作業中の感電事故は毎年複数発生している。今回のように電力会社の許可を取った正規作業でも、現場での距離管理が甘いと事故が起きる。安全策としては、(1) トタンの長さを電線距離より短くする、(2) 電力会社に作業中の一時停電を依頼する、(3) 経験豊富な業者を選ぶ、の3点が基本だ。
在タイ日本人駐在員家庭への含意
タイで一戸建てに住む駐在員家庭、特に郊外・地方部に住む場合は、雨期入り前に屋根・雨樋・配水の点検を依頼することが多い。業者選びの際、見積もりの安さだけでなく、「安全装備(絶縁手袋、足場、高圧電線距離計)の有無」「電力会社との連絡経験」「過去の事故歴」も確認しておくと、結果として家族と業者の両方を守ることになる。