スアン・ドゥシット大学世論調査が5月10日に発表したバンコク都知事選の世論調査で、現職のチャチャート・シットィプン氏が支持率56.70%で首位に立った。次期バンコク都議会選挙の政党選好では人民党が40.13%でトップ。調査は5月6-8日に1,074人を対象にオンラインと現地併用で実施した。
都知事候補の支持率は、現職チャチャート氏の56.70%が突出。2位は人民党のドクター・ジョー、チャイワット・サタワーンウィチット氏が18.90%、3位「未決定」が13.13%、4位はマリカ・ブンメーターラクン氏が5.78%だった。チャチャート氏とドクター・ジョー氏で77.6%を占める2強構造で、未決定層をどちらが取り込むかが当落を決める展開となる。
都議会(สก./Bangkok City Council)の政党選好は、1位が人民党40.13%、2位が無所属候補21.23%、3位「未決定」19.46%、4位は民主党とタイ・サーン・タイ党が同率7.91%。人民党が議会で第一党となれば、知事と議会のねじれ・連動の構造が大きく変わる。
バンコク住民が次期都政に望む政策の最上位は「交通渋滞解消・公共交通充実・運賃の低価格化」で28.82%。続いて「街の清潔さ・歩道の整備」が23.86%、「治安向上」18.10%、「洪水対策」14.75%。チャチャート氏の現職4年でも依然として交通とインフラ課題が最優先項目に残っている結果になった。
チャチャート氏は2022年6月の選挙で前職アサウィン氏との一騎打ちを制して当選した無所属の有力候補で、独立系ながら人民党と政策面で接近していると見られる。ドクター・ジョー氏は人民党所属で、世論調査が示すように同党の党勢拡大が知事候補にも反映している構図だ。タクシン派・連立政権側からの強力な対抗候補は現時点で出ていない。
ドクター・ジョー氏は5月8日、選挙に向けて「BKKは簡単」をスローガンに、運河活用・交通改革・オンヌット優先公約を打ち出していた。一方、現職チャチャート氏陣営は具体的な選挙告示を控え、現職の業績を打ち出す戦略に出ている。
選挙は6月28日に実施が予定されている。チャチャート氏は4月24日に無所属で2期目出馬を正式表明済みで、選挙まで残り約7週間の段階で現職優位の構図が固まりつつある。
バンコク在住の日本人にとっては、都知事の交代は通勤・配車・ビザ申請の窓口対応・ゴミ収集・歩道修繕など日常の行政サービスに直結する。チャチャート都政下で進められたBTS拡張、運河沿い遊歩道整備、屋台規制の調整などが次期も継続するか、人民党色の強い議会と連動するかは、在住外国人の暮らしにも影響する論点だ。