中国人ミンチェン・サン氏(31)の自宅で押収された軍用銃のうち、サイマイ警察署副捜査官名義の拳銃が、2011年から数えて警察関係者の間を4回転売された末に容疑者の手に渡っていたことが分かった。最後の販売者は退職処分を受けて服役中の元警察官で、最終販売価格は10万バーツ(約49万円)。容疑者は「武器が好きで自殺用に買った」と供述するが、警察は不信感を強めている。
中国人武器庫の拳銃、サイマイ警察署副捜査官から4回転売
警察庁副本部長サヤーム・ブンソム警察中将が5月9日、傘下のキアティクン警察少将ら2名にサイマイ警察署発行の拳銃の所在追跡を指示した結果が公表された。当該銃の元の名義人はサイマイ警察署副捜査担当の警察官で、本人がバンコク第2警察捜査隊勤務時の2011年(仏暦2554年)に友人に質入れしたことが転売の起点となった。
2011年に質入れ→タオプーン警察→行政部門→中国人へ10万バーツ
質入れされた拳銃はその後タオプーン警察署勤務の警察官に転売され、さらに別の行政部門担当の警察官の手に渡った。途中複数の所有者を経て、最終的に中国人ミンチェン氏に10万バーツで販売された。一連の取引は警察組織の内部関係者の間で続けられたもので、外部市場に流出したのは最終売却の段階だった。
最終販売者は退職処分・服役中の元警察官、内部腐敗の構図
最後の販売者となった人物は、すでに退職処分を受けて服役中の元警察官だ。警察組織の内部で長年にわたって武器が転売され続けた構図そのものが、警察庁にとって重大な内部監査課題となる。先のM4の販売事案(拳銃教官+海軍兵)と並んで、タイの治安組織内部での武器流出が外国人犯罪に直結する流れが浮き彫りになった。
容疑者「自殺用」と供述、警察は資金経路と通信記録を全方位捜査
ミンチェン容疑者は警察の取り調べに対し、「武器が好きでオンラインで買い集めた、自分を傷つける用に保管していた」と供述した。しかし警察は手榴弾10個やC4爆薬まで保有していた点を疑問視し、銀行口座の資金フロー、携帯通信記録、関連人物の網羅的解明を進めている。アヌティン首相の「最深部まで根源捜査」指示を受け、BHQ越境犯罪組織との関連も含めて、内外両側から構図の解明が急がれる。