タイ・アユタヤ県バンパーイン郡で5月9日、田畑のあぜに小屋を建てて隠密に暮らしていた偽僧侶集団のキャンプを警察が摘発した。朝に集団で托鉢と募金集めに出て、夕方に田畑の隠れ家に戻る生活パターンを送っていたという。プラインラーチャー警察署が住民の通報を受けて複数日にわたって張り込み、夕方のタイミングで4人を確保した。
アユタヤ県バンパーインで田畑のあぜに偽僧侶キャンプを発見
事案はアユタヤ県バンパーイン郡チェンラクノーイ町第8組の田畑地区で発生した。プラインラーチャー警察署のチャナン・プレムプルムチット警察大佐は、住民から「あぜ道に僧侶のような格好の男たちが集まって暮らしている」との通報を受け、捜査隊に張り込みを命じた。ソムポン警察中佐とプラシットチャイ警察少佐ら捜査チームが現地に入り、複数日にわたって行動を観察した。
朝托鉢・夕方帰宅の生活パターン、警察が複数日張り込み
捜査の結果、男たちは毎朝キャンプを出発し、近隣の集落や交通量の多い場所を巡って托鉢と募金集めをおこない、夕方にあぜ道のキャンプに戻る生活を送っていた。明らかに地元寺院に所属する僧侶の活動パターンとは異なるため、警察は十分に証拠を固めた上で、夕方に全員が戻ったタイミングで踏み込みをかけた。
木造小屋+僧衣テントの隠密キャンプ、外からは視認困難
現場では、田畑のあぜに沿って木造の小屋が複数建てられ、一部は僧衣をテント代わりに張って寝泊まりしていた。周囲は背の高い植物に覆われ、外の道路や畑からは視認できない位置取りで、出入り口は森と田畑の細道を通り、一部は水路を渡る必要があった。隠密性を意図して選ばれた立地で、警察も発見と捕捉に時間を要した。逮捕されたのは僧侶を装った男4人で、最年長はヌーティアン氏(63)。
タイの偽僧侶問題、本物寺院との照合体制と通報の受付
タイでは僧衣を着て托鉢を装い、寺院に所属していない男たちが集団で募金を集める事案が定期的に表面化する。先のコラート・ジラ駅の偽僧侶事件、マレーシアに子供を連れ出した僧侶の人身売買事件と並んで、僧侶を装う犯罪に対する社会の警戒感は高まっている。本物の僧侶は寺院に正式登録され、僧侶証明書(スッティ)で身元が確認できるため、地域の住民が「いつもの僧侶ではない」と気づいた段階で警察や県仏教事務局に通報するのが最も効果的な対策となる。在タイ日本人駐在員も、不審な托鉢集団を見かけた場合は安易にお布施を渡さない判断が必要だ。