タイ・チャチェンサオ県で、71歳の僧侶がオンライン通販でドリアン「8個550バーツ」のセール品を注文したところ、届いたのは小さく未熟な実ばかりという詐欺被害に遭った。配達員が異変を察知し、受け取り前に開封確認をおこない返品手続きを取った。配達員自身が動画で告発し、地方でも広がるライブコマース詐欺の典型例として注目を集めている。
71歳の僧侶もドリアン詐欺被害、「8個550バーツ」のライブ通販
被害に遭ったのはチャチェンサオ県在住の71歳の僧侶。ライブコマースで「ドリアン8個まとめて550バーツ」というセール品を注文した。ライブ配信中の映像では大ぶりで完熟したように見えるドリアンが映っており、僧侶もそれを信じて代金を払う段取りで購入した。しかし宅配されてきた箱の中身は、未熟で小ぶりなドリアンばかりで、ライブ配信の映像とは似ても似つかないものだった。
チャチェンサオの宅配員が動画告発、繰り返される「中身が違う」事案
事案を最初に察知したのは配達員のナレースワン・サマナ氏(39)だ。長年宅配の現場にいて、過去にも同じ住所宛に「衣類を頼んだのに雑巾が届く」「ドリアンを頼んだのに未熟な小粒が届く」といった事案を経験してきた。今回も似た形状の怪しい箱が同じ顧客宛に届いた段階で、ナレースワン氏は事前に客に電話を入れ、箱を開けて中身を一緒に確認したいと申し出た。開けてみると案の定、若くて小さなドリアンが詰まっていた。
配達員の機転で受け取り前に開封チェック、被害を未然に防ぐ
ナレースワン氏は中身を確認した上で、客に代金を支払う前に返品手続きを進めた。受け取りを拒否しさえすれば代金引換のお金が販売者側に渡らずに済むため、被害を未然に防げる仕組みだ。タイのオンライン通販では「Cash on Delivery(COD・代金引換)」が広く使われており、商品が届いた時点で配達員に現金を渡すのが一般的だが、悪質販売者はこれを逆手に取って中身が違う商品を送りつけてくる。配達員側の機転と顧客への事前連絡が被害防止の最後の砦になっている。
タイのライブコマース詐欺、僧侶や高齢者がターゲット
ライブコマース(Facebook Live、TikTok Liveなど)でのドリアン詐欺は、タイの果物産地から発送する形を装って全国の消費者を狙うパターンが定着してしまっている。被害者には僧侶や退職教師、高齢者など、ライブ画面を信じやすい層が目立つ。在タイ日本人にとっても、地元のライブセールで安価な果物を見かけたら、信頼できる店舗のページか、コメント欄で被害報告がないかを確認する一手間が必要だ。受け取り時に配達員と一緒に開封できる「ตรวจสอบก่อนชำระเงิน(支払前検査)」サービスを提供する宅配会社もあり、活用するとリスクを減らせる。