タイ西部ペッチャブリ県チャアム郡バンクワイ集落で4月22日深夜に起きたエアコン職人テップピッタクさん(32歳)への銃乱射事件で、23日朝、実行犯の2人の少年が家族に連れられてチャアム警察署に自首した。前日の報道では「17歳ら」とされていた犯行グループは、実際にはA少年(15歳)とB少年(16歳)の2人で、いずれもチャアム郡の住民だった。
2人はチャアム警察署長アピラック・プームチャイ大佐の面前で身柄を引き渡され、犯行に使ったオートバイ1台も一緒に提出した。銃については、犯行直後に海に投げ捨てたと供述しており、警察はダイバー部隊を出して該当海域での引き上げ作業に入る。
犯行の動機について、2人は「先に相手側のグループから激しく脅されていた。このままだと自分たちがやられると思い、先に攻撃するしかなかった」と説明した。前日からFacebook上での挑発合戦が続いていたこと、そしてその延長として深夜の襲撃に至ったことは、初報で伝えられた通りだった。
撃たれたテップピッタクさんは、9ミリ拳銃の弾が右腕に当たり重傷を負ったが、命には別条がなかった。現場には薬莢が少なくとも17発分散乱しており、マガジンを撃ち尽くす勢いの乱射だったことが、2人が15歳と16歳という若さだったと分かった今、事件の残酷さを一層際立たせている。
タイでは少年事件は少年保護法の枠組みで処理される。15歳・16歳はそれぞれ刑事責任能力の扱いが分かれる年齢で、裁判所は重大事件に限り少年院での教育措置や保護処分を選ぶことが多い。ただし今回は、殺傷能力のある拳銃を使った乱射で薬莢17発分という状況から、重大事件としての厳格な処理が見込まれる。
警察は2人の自首を受けて取り調べを進めつつ、犯行を依頼・指示した背後の人物の有無、銃の入手ルート、Facebook上でやり取りしていた対立グループの構成員特定を並行して進める方針だ。
タイ駐在の日本人にとっても、チャアムのような週末リゾート地の裏側で、SNSの挑発合戦から15歳の少年が銃を握る事件が起きる現実は、観光地としての安心感を一度立ち止まらせる材料になる。夜遅い時間の徒歩移動、若者グループの近くを通る場面には、国籍を問わず警戒意識を持ち続けたい。